人気ブログランキング | 話題のタグを見る

こんにちは (有)伊東工務店、専務の伊東です。建築とその周辺のお話や、日々感じた事をアップします 当社HP http://www.ito-corp.com/にも来て下さいね。メールはこちら seizo@ito-corp.com


by seizoito
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

認知症介護は「ドラマ」である

認知症をよく理解するための8大法則・1原則」

認知症の介護において最大の問題は、症状の理解の難しさにある。今言ったことも忘れてしまうひどいもの忘れ、家族の顔すら忘れてしまう失認、金銭・物に対するひどい執着、徘徊、失禁など多彩な症状を、介護者は理解できす、振り回されてしまう。認知症の症状を理解し上手な対応が可能になるように工夫したのが、「認知症をよく理解するための8大法則・1原則」である。

■ 第一法則
記憶障害に関する法則
記銘力低下
話したことも見たことも行ったことも直後には忘れてしまうほどのひどい物忘れ。同じことを繰り返すのは毎回忘れてしまうため。
全体記憶の障害
食べたことなど体験したこと全体を忘れてしまう。
記憶の逆行性喪失
現在から過去にさかのぼって忘れていくのが特徴。昔の世界の戻っている。

■ 第二法則
症状の出現強度に関する法則
より身近な者に対して認知症の症状がより強く出る

■ 第三法則
自己有利の法則
自分にとって不利なことは認めない

■ 第四法則
まだら症状の法則
正常な部分と認知症として理解すべき部分とが混在する。初期から末期まで通してみられる。常識的な人だったらしないような言動をお年寄りがしているため周囲が混乱しているときには「認知症問題」が発生しているのだから、その原因になった言動は「認知症の症状」であるととらえる。

■ 第五法則
感情残像の法則
言ったり、聞いたり、行ったことはすぐ忘れる(記銘力低下の特徴)が、感情は残像のように残る。理性の世界から感情の世界へ。
ほめる、感謝する
同情(相づちをうつ)
共感(「よかったね」を付け加える)
謝る、事実でなくても認める、嘘をつく(悪役を演じる俳優の気持ちで)

■ 第六法則
こだわりの法則
ひとつのことにいつまでもこだわり続ける。
説得や否定はこだわりを強めるのみ。
本人が安心できるようにもってゆくことが大切
そのままにしておく
第三者に登場してもらう
場面転換をする
地域の協力理解を得る
一手だけ先手を打つ
お年寄りの過去を知る
長期間は続かないと割り切る

■ 第七法則
認知症症状の了解可能性に関する法則
老年期の知的機能低下の特性から全ての認知症の症状が理解・説明できる

■ 第八法則
衰弱の進行に関する法則
認知症の人の老化の速度は非常に速く、認知症になっていない人の約3倍のスピード。正常の高齢者の4年後の死亡率が28.4%であるのに、認知症高齢者の4年後の死亡率は83.2%(聖マリアンナ医大長谷川名誉教授の報告)。

■ 一原則
介護に関する原則
認知症の人の形成している世界を理解し、大切にする。その世界と現実とのギャップを感じさせないようにする
by seizoito | 2010-07-31 08:13