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こんにちは (有)伊東工務店、専務の伊東です。建築とその周辺のお話や、日々感じた事をアップします 当社HP http://www.ito-corp.com/にも来て下さいね。メールはこちら seizo@ito-corp.com


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建築と福祉  便所編

建築と福祉シリーズ最終回です。

加齢により足腰などの身体運動機能が衰えてきて、それまで使い勝手が悪かった、或は狭かったり寒かったりしていた便所を使いやすく改修しよう、したいニーズは潜在的に多いのではないでしょうか。

いままで作られて来た日本家屋の「便所の姿」といえば、狭くて寒くて段差があってと、それまでは何ともなかった使い勝手も年を重ねるとそれは大きなバリアとなります。

最近の便器(便座)は洗浄機能はもちろん、暖房、乾燥、スイッチで自動洗浄出来たり、見やすい(使いやすい)リモコンなどの充実によりその機能はまさに日進月歩です。
新築時に計画される便所スペースも1.365×1.818から1.818×1.818(一坪)と広く計画し、小便器の配置や手洗いまでも組み込む傾向にあります。

一般に住宅の水廻りは近接して計画する事が原則ですが、廊下から便所に入るのではなく、浴室へ続く洗面脱衣室から便所に入る計画もあります。一概には言えませんが、家族同士の生活がバッティングしかければこれも一案でし、整合性はあるんではないかと思います。
また最近では自分の寝室へ「マイ便所」を計画する事も決して珍しい事ではありません。
介護保険などを使った住宅改修で最も多いのは便所や浴室へ手すりの設置です。
足腰が悪くなると、座る、立ち上がるといった単純な動作も大変となり、まして洋便機ならまだしも、和式便所であればその負担は大変です。

便所へ計画する手すりの種類としては、立ち座る動作補助のためにL型手すりを設置します、車いすから便器へ移乗(トランスファー)する時などは上下に可動する跳ね上げ式手すりや、水平に90度スイングする手すりなどがあり、身体機能(残存機能)に応じ設置されます。

健康な人であれば、だれもが便所は一日の内で数回利用します。
一頃と違い、最近では浴室と同じく便所も一人になれる空間として、安全にしかもリラックスして快適な環境として考えられる様になりました。

次回は「建築と福祉」のまとめのお話です。
by seizoito | 2007-08-12 09:08