人気ブログランキング | 話題のタグを見る

こんにちは (有)伊東工務店、専務の伊東です。建築とその周辺のお話や、日々感じた事をアップします 当社HP http://www.ito-corp.com/にも来て下さいね。メールはこちら seizo@ito-corp.com


by seizoito
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

建築と福祉

それまでは「建築」と「福祉」は縁がないものだと思っていました。

高度経済成長時代の日本家屋の建て方は、西洋文化の流れを受け、豪華に見える洋風の室内ドアの多用や、洋風瓦の使用、和風建築などにした場合、入り口ポーチに石材を並べるなどしてわざと段差を設けて豪華さを演出したり、床の間のある和室なんかは床を廊下から4寸(120mm)位上げないとそれらしく見えないといいながら作る一方、便所においては芯々3尺×6尺(910mm×1.820)で、中で万一倒れていたら絶対明ける事の出来ない高級内開きドアや段差付きの便所、それも相当寒さを感じるタイル貼りで汽車便所(和式便所)、手洗いなんか小さいのが着いているだけの状態で小便器(スペース)もあれば立派なもの。

浴室などは石貼りタイル貼りで洗面脱衣室から150mmも段差をつけ、浴槽縁においては200mmも巾をもたせて、思いっきりまたがないと入れない最も入りにくい埋込浴槽を設置した浴室。

廊下は尺貫法が定着し、有効幅員が770mm程度しかないいわゆる暗い3尺廊下。
これも体がお元気のうちはこれでよかったのですが、加齢により運動、神経などの機能が落ちてくると、それまで何ともなかった(何も感じなかった)各室の狭さ、段差やドアの使い勝手の悪さが、目に見えないストレスとなってきます。(だんだん使いずらくなってきてしまうが体は感じない状態)

昨今バリアフリーという言葉は子供でも理解できる時代になりました。
最近では「バリアフリー仕様」という言葉も、もはや当たり前化され死語にもなりつつあり、建築(住宅)では合理的な理由もなく床に段差など付ける事は御法度となっています。

現在では日本全国でそれら大量生産された「粗悪な住宅」(となってしまった)を使いやすくするため、あちこちで手すりの設置や段差の解消工事など行っています。
今週はそれら改修する場合の場所別改修ポイントを書いていこうと思います。

もちろん新築計画においても十分参考になる話なのでご参考にどうぞ。

今週は「建築」と「福祉」はこんなに近いんですよというお話です。
by seizoito | 2007-08-07 07:51